アスパラガスの珍しい話・・・その5

アスパラガスの栽培種は野生種とほとんど変わらず、品種の数はわずかです。

軽い野菜なので、数分火を通すだけで、その独特の香りを引き出すことができる素晴らしい野菜です。

古代ローマの伝記作家スエトニゥスによると、アウグストゥスは「アスパラガスの調理に要する時間よりも短いあいだに」という言いまわしを好んで用いたといいます。

かつてアスパラガスにはホワイト・ソースかフレソチ・ドレッシングがかけられました。

どちらにするかは食べる者の好みによってでした。

アスパラガスの珍しい話・・・その4

ピザソティン帝国(東ローマ帝国)の首都ピザンティウムで十一世紀から栽培され、十六世紀以降、西ヨーロッパに急速に広まり、一八〇五年にはすでにパリ北西郊のアルジャントゥーユで集約栽培がはじまりました。

季節外にアスパラガスを最初につくったのは、ラ・カンティニーであり、それはルイ十四世の食卓にのせるためでした。

アスパラガスに利尿作用があるかどうかについては、これまではどちらとも言えず、あるということが確認されたことも、その効能が大いに疑われたこともありました。

アスパラガスの珍しい話・・・その3

プリニウスによれば、この男根を思わせるアスパラガスの形は、催淫作用があることを示すものだが、ディオスコリデスはこれに強く反対しています。

アスパラガスに催淫力があるという説は、いちども証明されたことがなく、きわめて疑わしいものであり、アスパラガスは不妊症の原因となるという説と同じくらい根拠のないものです。

それでも、過激派カトリックの政治・軍事組織である旧教同盟のメンバーたちは、アソリ三世が豪華な宴会をひらいてアスパラガスを供し、それを女性的な寵臣(ミニヨン)たちに食べさせたと言って非難しました。

アスパラガスは威厳に満ちた高貴な野菜です。

中世にはたいして重んじられませんでしたが、エジプトからギリシアを経てローマへと至る古代では、かなりの評判をとり、その名声を伝える物語がいくつも残されました。

アスパラガスの珍しい話・・・その2

ホワイト.アスパラガスをつくるには、光をさえぎって葉緑素ができないようにしてやらないといけないので、春に土盛りし、土中を伸びてくる若茎を収穫するそうです。

古代ローマの政治家、文人のカトーによると、ローマ人たちは溝のなかでアスパラガスを栽培していたといいます。

この方法は十九世紀までつづいたそうです。

ともかく、アスパラガスは雌株と雄株にわかれ、葉を退化させて葉状枝という特殊な組織に葉の代わりをさせ、大きくなったときには男根のように見える異様な若枝を伸ばすという、風変わりな植物です。

雄羊の角の粉を用いるとアスパラガスがよく伸び上がるという説も、かつて流布したことがあるみたいですよ。

アスパラガスの珍しい話・・・その1

アスパラガスは生命力の強い植物です。

毎年、春になると、養分を充分にたくわえた太い根をはやす根茎から新芽を出し、多肉の軽い若茎を伸ばします。

この若茎は、象牙色から濃緑へと色を変・兄つつ、鱗状の葉をつくります。

これらの葉は茎にぴったりくっつき、茎の先端をしっかりおおう。

途中で切られることがなければ、茎は一メートルから一.五メートルの高さに達し、細かく分枝します。

この先のほうの小枝は、植物学者が葉状枝と呼ぶ特殊な組織をつけます。

それは深く裂けた葉のように見、兄るが、実は葉ではなくて、細い松葉状の二次的な枝です。

ほんとうの葉は退化して、小さな鱗のようにしか見えません。

退化した葉のついた茎には、雌花か雄花が咲くきます。

雌株には雌花が、雄株には雄花が咲き、両者がひとつの株の上で混ざり合うことは決してありません。

つつましい小さな花で、雌花は美しい漿果をつけます。

それは豆ほどの大きさのもので、熟すと鮮やかな赤となり、なかには黒い種が入っています。

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