多分寝てるよ
快適なフランスベッドでの入眠までの時間を誇張する傾向が生じる理由は簡単にわかります。
つまり、私たちは眠っていた記憶がなく、起きていた記憶しかないのです。
それゆえ、どのくらい熟睡したかは、睡眠ではなくて覚醒の記憶に大いに左右されて見積もられるのです。
睡眠と覚醒とに一線を画せないのが実情ですから、ことはなおさら面倒です。
眠り込んだあとでも私たちは考えごとをつづけておりますが、考え方がややあいまいできちんとまとめられていないだけです。
きわめてよくあることですが、30分ぐっすり眠った人が起こされると、自分は決して寝入ったのではなくただ横になって考えごとをしていただけだ、と言い張ります。
毎晩どれだけの時間を眠りに費やしたかという見積もりには、かなりの誤差が生じる余地があります。
最近わかったことですが、この誤差の限界を調べると、常習の不眠症患者はつねに睡眠不足の方を誇張するのに対し、正常人はすくなく見積もるか多く見積もるかのどちらかだ、とのことです。