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2010年08月 アーカイブ

第三世界の経済 3

1983年の4月にローマで開催された日米欧委員会の総会では、ヨハネ・パウロ2世が招待され、講演しています。


その主題は南北問題でした。


広がる南北格差問題に警告を発し、第三世界の経済発展の戦略をともに考えようと訴えています。


そして、このバチカンの"親第三世界戦略"は、その場に出席していた、日米欧委員会の創設者にして、ロックフェラー財閥の総帥であるデヴィッド・ロックフェラー氏の"親第三世界路線"と重複してくるものなのです。


多国籍企業の利益を代表するロックフェラー氏が第三世界の近代化に新しい経済成長のパターンを予見しているように、ローマ法王もまた、第三世界でのカトリックの普及、活発化にバチカンの未来を託しているのでしょう。


これからの開発途上国の近代化を考える場合、非常に大きな意味をもってくるのがリージョナリズム(地域主義)です。


19世紀以来、世界ではナショナリズムが非常に大きな力を占め、20世紀の現在に至っていますが、このナショナリズムは、もはやその歴史的使命を終え、これからの世界はリージョナリズム、地域主義の時代に入りつつあるといえるでしょう。

第三世界の経済 4

19世紀から20世紀にかけて、このナショナリズムというイデオロギーが、なぜ、先進国の近代化に大きな力をもったかというと、それは、20世紀前半までの近代化が、国民市場―国内市場の範囲で展開していたからにほかならないです。


近代国家が成立する場合、日本のように単一民族の場合もあれば、イギリスのように、ウェールズ、イングランド、スコットランド、さらに北アイルランドまでをも含めた連合王国として成り立つ場合もあります。


また、アメリカのように多種多様な移民が創り出したケースもあり、単に民族的な同一性が近代国家の条件とはいいきれないのです。


近代国家の単位とは、民族よりも経済的に共通の市場が成り立つ単位です。


国民市場というひとつの近代化のユニットが成り立つ単位、これが国民国家なのです。


いままで国民国家が存在するがゆえに国民市場があると考えられてきたのですが、実際には、まず単一の市場が形成され、その範囲において国民国家が生まれてきたと考えるほうが、より正確でしょう。


ナショナリズムとは、この国民国家の単位を基盤とした近代化を推進するイデオロギーとして、その意味があったのです。

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