第三世界の経済 3
1983年の4月にローマで開催された日米欧委員会の総会では、ヨハネ・パウロ2世が招待され、講演しています。
その主題は南北問題でした。
広がる南北格差問題に警告を発し、第三世界の経済発展の戦略をともに考えようと訴えています。
そして、このバチカンの"親第三世界戦略"は、その場に出席していた、日米欧委員会の創設者にして、ロックフェラー財閥の総帥であるデヴィッド・ロックフェラー氏の"親第三世界路線"と重複してくるものなのです。
多国籍企業の利益を代表するロックフェラー氏が第三世界の近代化に新しい経済成長のパターンを予見しているように、ローマ法王もまた、第三世界でのカトリックの普及、活発化にバチカンの未来を託しているのでしょう。
これからの開発途上国の近代化を考える場合、非常に大きな意味をもってくるのがリージョナリズム(地域主義)です。
19世紀以来、世界ではナショナリズムが非常に大きな力を占め、20世紀の現在に至っていますが、このナショナリズムは、もはやその歴史的使命を終え、これからの世界はリージョナリズム、地域主義の時代に入りつつあるといえるでしょう。