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2010年07月 アーカイブ

第三世界の経済

ラテン・アメリカのカトリシズムの間で、いま最も問題となっているのが「解放の神学」です。


解放の神学とは、現実の社会改革と人間解放に、キリスト教の神髄を見る急進的な社会派神学といえます。


すなわち、彼ら解放の神学派は、原初のキリスト教は、奴隷解放の宗教であり、キリストは貧しい民衆の味方であったということを原点として、キリスト教による民衆の解放を主張します。


この解放の神学に対して、1984年9月、信仰教義聖省(ローマ法王庁内の一機関)のジョセブ・ラッツィンガー枢機卿は「解放神学のいくつかの側面について」という公の声明を発表しています。


その声明は、かなりの反響をカトリック世界で巻き起こしました。


この声明では、バチカンが解放の神学自体を否定せず、その必要性を認めた点が注目されます。


ただし、同声明は宗教と政治の混同、マルクス主義的暴力革命への傾斜には、厳しく批判を投げかけています。


総本山のバチカン自身にしてもローマ法王自らが、第三世界のあちこちを勢力的に訪問して第三世界、低開発国の人権問題、経済開発問題に真剣に取り組んでいます。


バチカンは第三世界の近代化の方向にシフトしつつあるのです。


ローマ法王庁、バチカンは約8億の信者、42万人の神父、98万人の修道女、3700人の司教、130人の枢機卿を統括する一大国際組織です。

第三世界の経済 2

現在のヨハネ・パウロ2世の言動を分析すると、21世紀に向けたバチカンの戦略が明らかに第三世界を視野に入れたものであることがわかります。


先進国におけるカトリック教徒の信者数は漸減傾向にあり、バチカンとしては新たな活力の源泉を第三世界におけるカトリック教の布教に見出しているのです。


カトリックは欧米先進国とラテン・アメリカを中心とする第三世界にまたがった宗教。


欧米中心のプロテスタンティズムとは、その性格を著しく異にするものです。


たしかに中絶問題などの道徳問題においてはいまだに保守的ではありますが、第三世界問題においては、従来の「カトリックー=保守」という常識は、もはや当てはまらないでしょう。


ヨハネ・パウロ2世はアジア、アフリカ、ラテン・アメリカを広く訪問し、飢餓、人権、経済発展などの問題に積極的な発言を続けています。


また、カトリック教会内においては、親第三世界的な急進分子(マリノール修道会)をおさえる一方で、頑迷な反第三世界保守派を説得して、その統一を保つことに努力しているのです。

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