フダンソウとビート・・・その1
フダンソウとビート、この二つの野菜は、外観はかなりちがうが、植物学的にみるとたいへん近いそうです。
それは、祖先が同じだからです。
その祖先とは大西洋沿岸と地中海沿岸に自生するシーピートだ。
それを栽培しているうちに二つの植物、すなわち、葉は豊富で根は控えめなフダソソウと、葉のほうは控えめだが根を肥大させるテーブルピート(いわゆるビート)にわかれたというわけである。
いずれも古代ギリシアとローマにすでにあった。
古代ローマの政治家・哲学者のキケロは、フダソソウとモーヴ(アオイ科の草)を煮込んだものを食ぺて十日のあいだ腹痛に悩まされ、友人のガルスにあてた手紙のなかにこう書いています。
「あまりにもひどい下痢ですので、今日はもう、ただ治るのだけを願っているというありさまです。カキやウツボを避けているので大丈夫だと思っていたのに、愚かにもフダンソウとモーヴにやられてしまった!」
ローマの下層民はフダンソゥのスープを頻繁に食べていました。
しかし、プリニゥスによると、医者たちはフダンソウをキャベッよりもずっと質の劣る野菜だと見なしていたそうです。